コラム

 公開日: 2017-02-24 

65歳以上でも障害年金の請求が可能なケース

65歳を過ぎてから障害の状態になった方は、障害年金を受給できるのでしょうか。

この場合、限定的に請求できるケースはあります。しかし、「国民年金に任意加入している」「厚生年金の被保険者である」など、非常に複雑でわかりにくい部分もあります。

65歳以上で障害による経済負担に悩まされている方は少なくありません。以下の事例を参考に、あきらめずに障害年金を受給できるかどうか検討してください。なお、保険料納付要件は満たしているものとします。

初診日が65歳(誕生日の前々日)までの場合は請求可能

ひとつには初診日が鍵となります。
障害年金の請求に必要な要件のうち、初診日要件を思い出してみましょう。

【初診日要件】
(1)障害の原因となった病気やケガの初診日において、国民年金または厚生年金のいずれかに加入

(2)20歳前であれば未加入でも可

(3)60歳から65歳未満の方で、以前は国民年金に加入し、国内に在住

まず、(1)を満たす65歳以上の方は障害年金を請求できます。つまり、初診日に公的年金に加入していて、障害認定日に障害の程度が一定の基準に該当していれば、年齢は関係ありません。いつでも請求できます。

次に(3)に該当する65歳以上の方も可能です。つまり、公的年金に加入していない60歳~65歳の人も、65歳の誕生日の前々日までの間に初診日がある場合、障害認定日が65歳を過ぎていたとしても、障害の程度が認定基準に該当していれば何歳からでも請求することができます。
以上のように、初診日が65歳前なら障害認定日は65歳を過ぎていても大丈夫だということです。

また本来であれば、障害認定日に認定をしてもらうべきところ、なんらかの理由で遅れてしまった場合、遡って請求することも可能です。障害年金のことを知らずに年月が経ってしまった人も、あきらめなくていいのです。

ただし時効により直近5年以内の分のみとなり、それ以上遡って受給することはできません。

65歳以降の初診日で請求できる場合

国民年金に任意加入中であれば、初診日が65歳以降であっても障害年金の対象となります。

老齢基礎年金の保険料は原則20歳~60歳までの40年間納付をしていなければ、満額の年金を受け取ることができません。しかし、納め忘れなどにより、納付期間が40年に満たない場合は、60歳~65歳の間、国民年金に任意加入し、満額の年金に近づけるようにします。

また老齢基礎年金を受給するためには、保険料の納付期間や免除期間などが25年(300月)(※1)以上必要ですが、この要件を満たしていない場合、70歳になるまで加入することができます。(※1:平成29年8月から10年(120月)となります)

もうひとつのケースとして、65歳以降も厚生年金保険の被保険者である場合が挙げられます。この場合は障害厚生年金の請求はできますが、障害基礎年金は対象となりません。
老齢基礎年金と障害厚生年金は併給ができないので、実際には老齢基礎年金と老齢厚生年金の併給したほうが有利になる場合が多いです。

老齢年金の繰り上げ受給をした場合の注意点

国民年金は通常20歳から60歳まで保険料を納付し、65歳から死ぬまで年金を受給することができます。

老齢基礎年金は、原則として65歳から受けることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に、繰上げて受給することができます。
この間は働くことはできても、収入が減るのが普通ですので、ありがたい制度といえますが、年金は減額されます。

また、繰り上げ請求をした場合、65歳以降と同様にみなされるため、障害基礎年金を請求することができなくなります。

年金は「一人一年金の原則」があり、65歳になって老齢基礎年金を受給するようになると、障害基礎年金を受けられなくなります。
繰り上げ受給をした場合も、65歳に達したとみなされ障害年金の請求はできません。

しかしこれには例外があります。それは次の6つです。

■繰上げした時点より前に障害認定日のある傷病

■繰り上げした時点より後に障害認定日があっても、国民年金加入中の60歳未満のときに初診日があり、障害認定日が繰り上げ受給権発生後にある場合

■繰り上げした時点より後に障害認定日があっても、60歳以上で国民年金の任意加入中、または厚生年金に加入中に初診日があり、障害認定日が繰り上げ受給権発生後にある場合

■繰り上げした時点より後に初診日と障害認定日がある場合で、厚生年金に加入中の場合、障害厚生年金のみ支給

■障害基礎年金が支給停止となったが、繰り上げ受給後に悪化した場合

■障害年金2級を受給していたが、支給停止となり、繰り上げ請求前に他の障害で悪化した場合

■繰り上げ請求前に初めて2級に該当した場合

このように人それぞれ条件が違うため、詳しいお話を聞くことなしに、請求の可否を判断することはできません。

障害年金について相談するときは、受給している知り合いなどに質問しても参考にならない場合や、古い情報を伝えられる可能性もあります。わからないことは、専門家にたずねていただくことをおすすめいたします。

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