コラム

 公開日: 2017-03-13 

障害年金の診断書を医師が書いてくれないときの対処法

障害年金の請求手続きは難しいと考えられています。

手続きを進めるに従って、いろいろなハードルが現れます。思うように書類を揃えることができないというのもそのひとつで、なかでも医師が診断書を書いてくれないという話はよく聞かれます。

そういう場合の対処法について、今回はお伝えしたいと思います。

書いてもらえない理由は何か?

医師が診断書を書かない理由はひとつではありません。

医師にもいろいろな方がいます。なかには障害年金のことをよく知っていて、自分から勧めてくれる医師もいますが、残念ながら障害年金のことを知らない医師や、請求に協力的でない医師も少なからずいらっしゃいます。

医師は年金の専門家ではありませんが、診断書を書くことができる唯一の職業です。それを書いてくれないということは、何か意向があってのことかもしれません。書かない理由を知ることで、話し合いで解決できるのか、請求の方法を変えるのか、転院するのかなど、医師との関わり方が変わってきます。あなたが診断書を書いてもらえない理由は何でしょう?

考えられる理由とは?

〇医師は障害等級に該当するほどではないと考えている
患者さんの障害が、年金が貰えるほどのものではないと経験的に知っているのかもしれません。診断書には当然事実しか書くことができませんので、この内容では無理だと考えているのではないでしょうか。
この場合は、日常生活においての情報提供が不足している可能性がありますので、きちんと伝えることで解決するかもしれません。

〇社会復帰の妨げになると考えている
患者さんに働く意欲があり、症状も安定している場合、障害年金を受給することで、社会復帰の妨げになるのではと考え、「若いのだから働くことを考えてみたら」という表現になるのかもしれません。
しかし、障害を抱えながら、生活に必要なお金をすべて自分で賄うのはとても大変です。この場合も請求者の日常生活の不自由さや、仕事が制限されることなどをわかっていただくしかないと思います。
障害年金を受給し、足りない分だけ働くというスタイルも可能ですし、社会復帰への意欲も沸くということを理解してもらいましょう。

〇障害年金制度への知識の不足
「うつ病などの精神病は対象ではない」という誤解は一般の方にも多いのですが、医師にもあります。このような誤解は制度の説明をすることで解決すると思われます。

〇制度に対する理解がない
残念なことに、制度に対する理解がない医師もいます。障害年金のことだけを考えると、転院も視野に入れるべきですが、治療の面で良好な関係にあるというのであれば、それは避けたいところとなるでしょう。
転院先は今より良い病院かどうかわかりませんし、病歴などを一から伝えなくてはいけない、話したくないことまで話す必要があるなど、精神的にも疲れてしまう可能性がありますので、慎重に考えましょう。まずは、ご本人やご家族が誠心誠意、受給したいという思いを訴えることも大切です。

〇もう少し経過を見たいと考えている
診断した期間が短く、責任を持って診断書を書くには時期尚早と考えているのかもしれません。医師が障害の状態を詳しく把握できるまで、続けて通うことだと思います。

〇書き方がわからない
障害年金の請求のための診断書は、医学的知見のみで作成する診断書と違って、生活に必要な所得保障のための診断書です。
したがって通常、医師が作成する診断書とは形式が異なり、請求者の日常生活を詳しく記載するようになっています。そのため、用紙を渡してお願いするだけでは書いてもらえないのです。作成するのに必要な情報をまとめて提出するなどしたうえで、依頼するようにしましょう。

遡及請求から事後重症請求に切り替える方法

請求の方法のひとつに遡及請求があります。本来なら障害認定日から1年以内に請求すべきところ、なんらかの事情で遅れてしまった場合に行います。

遡及請求に必要なのは「①障害認定日の診断書」「②現在の診断書」の計2枚です。

ところが、カルテの法定保存期間は5年なので、年数が経ち過ぎている場合、病院にカルテが残っていなかったり、当時の担当医が在籍していなかったり、病院自体がなくなっていたりすることもあります。

そうなると障害認定日の請求書は入手できません。そこで、一旦は遡及請求を諦め、現在の診断書だけで、できる事後重症請求を行うという方法をとることがあります。

事後重症請求は、本来ならば障害認定日における障害の程度が軽く、後で重症化した時の請求方法ですが、このような場合、一日も早く認定を受けて、経済的不安を取り除きたいものですので、まずは認定を受けることを優先することがあります。

しかし、遡及請求は過去5年分までの年金を一時金で受給することができるので、この差は大きいといえます。

ただし、例外的に診断書がなくても遡及請求が認められる場合もあります。たとえば人工透析を開始して3カ月を経過した日が、障害認定日の前にあって、現状の診断書で人工透析の開始日がわかるような場合です。

また、事後重症請求が認められた後でカルテが見つかった場合などは、そこから遡及請求をすることも可能です。
このように、障害年金の請求手続きは、個々のケースに応じて可能性を探っていくことが重要です。

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